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ブレーキを踏んでいないのにキーキー音が聞こえる?走行中の異音の原因と確認方法を整理しました

メンテナンス

週末に家族を乗せてドライブに出かけるとき、お気に入りの音楽を流しながら気持ちよく走っていると、ふと窓の隙間からかすかな音が聞こえてくることがあります。

オーディオのボリュームを下げて耳を澄ませると、確かに聞こえる連続した高い金属音。ブレーキペダルには触れてもいないのに、速度に合わせて細かく鳴り続けるあの不快な音は、一体どこから来ているのでしょうか。

今回は、走行中に発生するあの不快な音の原因と、自分でも確認できるチェックポイントを詳しく調べて整理しました。

走行中に聞こえるキーキー音の正体とは?真っ先に疑うべき2つの原因

これ、知っている方も多いと思うのですが、ブレーキを踏んでいないのに音が鳴る場合、足回りの部品が悲鳴を上げているケースがほとんどです。

アクセルを踏んで加速している最中や、ただ惰性で進んでいるときにも「キーキー」「チリチリ」と音が響くのは、車からの重要なサインになります。特に代表的な原因として、ブレーキパッドの摩耗と、ブレーキの「引きずり」と呼ばれる不具合の2つが挙げられます。それぞれ車の中でどのようなことが起きているのか、詳しく見ていきましょう。

ブレーキパッドの寿命を物理的に知らせる仕組み

意外と知られていないかもしれませんが、多くの車のブレーキには、パッドが減ったことを物理的に知らせる小さな金属片がついています。この部品は「パッドウェアインジケーター」と呼ばれています。

消耗品であるブレーキパッドの残量が残り少なくなると、この金属片が回転するディスクにわざと接触する仕組みになっています。これによって、ペダルを踏んでいなくても走行中に連続した摩擦音が発生し、ドライバーに交換時期を教えてくれます。

お気に入りの愛車をガレージから出すとき、朝一番の走り出しのときだけ音が鳴る現象とは少し性質が異なります。

朝一番の音については、こちらの記事(ブレーキ鳴きが最初だけ出る原因は?朝だけキー音がする理由と危険サインの見分け方)でも詳しく紹介されていますが、今回は「走っている間ずっと鳴り続ける音」について掘り下げていきます。

金属が擦れるような音が一定の速度を超えてからずっと聞こえる場合は、パッドの残量が限界に近づいている可能性が非常に高いです。

ブレーキの引きずり現象が起きる理由とメカニズム

もう一つの大きな原因が、ブレーキの「引きずり」です。車のブレーキは、回転している金属の円盤(ディスクローター)を、左右からブレーキパッドという摩擦材でギュッと挟み込んで車を止める構造になっています。ペダルを踏むと強い力で挟み、ペダルを離すと離れるのが正常な状態です。

ペダルを離したとき、パッドが元の位置に戻るのを助けているのが、キャリパーの内部にある小さなゴムの部品です。

このゴムが、ブレーキを踏んでいないときに少しだけ変形し、ペダルを離したときにその復元力でピストンを元の位置にわずかに引き戻します。これを専門用語でロールバックと呼びます。

しかし、長年の走行で雨水や泥、あるいは冬場の融雪剤などが原因となってこの部分にサビや汚れが溜まると、ゴムの力だけではピストンが戻らなくなってしまいます。

これがキャリパーの固着による引きずりであり、常にパッドがディスクに擦れ続けるため、ペダルを踏んでいなくてもキーキーと音が鳴り響くことになります。

異物の挟み込みなどそれ以外の原因

主要な2大原因のほかにも、予期せぬトラブルで音が鳴るケースがあります。例えば、走行中に道路の小石やアスファルトの破片、ゴミなどがブレーキの隙間に挟まってしまうケースです。

ブレーキの裏側には「バックプレート」という泥除けの鉄板があるのですが、その鉄板と回転するディスクの間に絶妙なサイズの小石がパチンと挟まると、信じられないほど甲高い音を立てることがあります。

この場合は、異物が削れて落ちるか、バックプレートを少し押し広げて石を取り除けば音は収まります。しかし、放置すると回転する部品を傷つける原因になります。

ここで、走行中に発生する異音の原因とその特徴について、分かりやすく表にまとめてみました。自分の車から聞こえる音がどれに当てはまるか、見比べる際の参考にしてみてください。

原因 音の特徴 発生するタイミング 緊急度
ブレーキパッドの摩耗 キーキー、チリチリという連続的な高い音 走行中ずっと、または速度を上げると細かくなる 高い(早めの交換が必要)
ブレーキの引きずり キーキー、キーーという引きずるような高音 走り出しから走行中ずっと(車輪が熱を持つ) 非常に高い(即点検が必要)
小石や異物の噛み込み カリカリ、ガリガリ、キーキーと不規則な音 走行中(バックすると音が変わることも) 中(放置するとディスクに傷)

放置するとどうなる?引き起こされる危険なリスク

走行中のキーキー音を「まだブレーキは普通に効くから大丈夫」とそのままにして走り続けるのは、安全性の面からも、お財布の面からも避けたほうが賢明です。どのようなリスクが待ち受けているのか、具体的に整理しました。

ブレーキパッドの完全な消失とディスクの深刻な損傷

パッドの摩耗による音を無視して走り続けると、最終的には摩擦材が完全に無くなってしまいます。そうなると、パッドの土台である鉄の板が、回転するディスクを直接ゴリゴリと削ることになります。

この段階に達すると、音は「ゴロゴロ」「ガリガリ」という恐ろしい濁った音に変わり、ペダルを踏んだときの感触も不自然になります。当然、ブレーキの効きは急激に低下しますし、高価なディスク自体も傷だらけになって同時に交換が必要になります。その結果、修理費用が何倍にも膨らんでしまうという手痛い出費につながります。

ベーパーロック現象と燃費の急激な悪化

ブレーキの引きずりを放置した場合のリスクは、さらに深刻です。常に軽くブレーキがかかった状態で走り続けることになるため、足回りが異常な高熱を持ちます。

この熱がブレーキオイルに伝わると、オイル内に気泡が発生し、ペダルを踏んでも圧力が伝わらずにスカスカになってブレーキが全く効かなくなる「ベーパーロック現象」を引き起こす恐れがあります。下り坂などで突然この状態になると、大きな事故に直結しかねません。

また、常に車にブレーキの抵抗がかかっているため、アクセルを余分に踏む必要が出てきます。これにより、特に何も走り方を変えていないのに燃費が急激に悪化するという症状も現れます。加速がなんだか重く感じたり、坂道での進みが悪く感じたりするときは、足回りが熱を持っていないか疑う必要があります。

自分でできる不具合の見分け方とチェックポイント

では、実際に自分の車から異音が聞こえたとき、整備工場に持ち込む前に自分でできる簡単な確認方法をいくつか紹介します。安全な場所に車を止めて、以下のポイントを確認してみてください。

  • ブレーキを軽く踏んだときの音の変化:安全な直線道路で、窓を開けて走行しながらブレーキペダルをほんの少しだけ踏んでみます。踏んだ瞬間に「キーキー」という音がピタッと消える、あるいは音が大きくなるなど、何らかの変化がある場合はブレーキ周りの不具合である可能性が極めて高いと言えます。
  • ホイール周辺の異常な熱気を確認する:しばらく走行した後に車を安全な場所に止め、各車輪のホイールにそっと手を近づけてみます。このとき、大変熱くなっている場合があるため、絶対に直接触らないでください。4つの車輪のうち、特定の車輪だけがモワッと異常な熱気を持っている場合、その車輪でブレーキの引きずり rigidity が起きている証拠になります。
  • 安全な場所での前進と後退:広い駐車場などで、ゆっくりとバック(後退)させてみます。もし原因が小石の挟み込みであれば、車輪が逆回転することでポロッと石が外れ、それだけで嘘のように音が消えるケースがあります。

修理や部品交換にかかる費用の目安

異音が発生している原因がどこにあるのかによって、修理や調整にかかる費用の目安も変わってきます。一般的な軽自動車やコンパクトカー、ミニバンなどを基準とした一般的な相場をまとめました。

修理内容 費用の目安(左右セット) 作業時間の目安 主な交換部品
ブレーキパッド交換 約8,000円 〜 15,000円 約30分 〜 1時間 ブレーキパッド
キャリパーオーバーホール(引きずり修理) 約15,000円 〜 25,000円(片側) 約1〜2時間 ゴムシール類、ピストン(損傷時)
ブレーキディスク交換(傷がある場合) 約15,000円 〜 30,000円 約1時間 ブレーキディスクローター
異物(小石)の除去のみ 約0円 〜 5,000円 約15分 なし(清掃・点検のみ)

もし引きずりの発見が遅れてディスクまで深く削れてしまったり、キャリパー自体の交換が必要になってしまったりすると、全体の修理費用が数万円から数十万円にのぼることもあります。

修理費用が高額になった場合の判断基準については、こちらの記事(車の修理30万円は払うべき?買い替えとの損得判断と後悔しない基準)なども参考になるかと思います。

また、日頃からの定期的なチェックの大切さについては、(12ヶ月点検を受けない人の割合は?義務なのに罰則なしの理由と後悔しない判断基準)で詳しく調べたデータが役立ちます。大きなトラブルに発展する前に、プロの目で確認してもらう時間を車検以外にも作っておくと安心感が違います。

まとめ

ブレーキを踏んでいないのにキーキー音が鳴る現象は、車がドライバーに異常を訴えている大切なサインです。多くの場合、ブレーキパッドが磨耗して寿命を迎えているか、あるいはキャリパーの固着によってブレーキの引きずりが発生していると考えられます。

これらを放置すると、最悪のケースではブレーキが効かなくなるなどの重大な事態につながるため、早めの確認が欠かせません。

最終的にプロの整備士に点検してもらうのが一番確実ですが、まずは音が鳴るタイミングやホイールの熱などを観察し、慌てずに適切な対応を選ぶための判断材料にしてみてください。

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