中古車を探していると、「レンタカーアップ」という言葉を見かけることがあります。年式が比較的新しいのに、同じ車種の中古車より価格が安い。そんな車を見つけると、「これはお買い得なのでは?」と思う一方で、「レンタカーアップはやめとけ」という話も気になりますよね。
レンタカーとして使われていた車には、普通の中古車とは少し違ったところがあります。いろいろな人が運転してきたこと、年式の割に走行距離が多いこと、細かな傷や使用感が残っている場合があることなどです。
ただ、だからといってレンタカーアップを最初から候補から外す必要もありません。安さだけを見るのでも、レンタカー歴だけを怖がるのでもなく、一台ずつ中身を見ることが大切です。
今回は、レンタカーアップが安い理由から、「やめとけ」と言われるポイント、逆にメリットとして考えられる部分まで、車好き目線で整理してみました。
レンタカーアップとは?安い理由はどこにある?
中古車サイトを見ていると、「レンタカーアップ」「レンタカー使用歴あり」と書かれた車があります。
これは、レンタカー会社などで貸し出しに使われていた車が、その役目を終えて中古車として販売されているものです。個人のワンオーナー車とは違い、いろいろな人が乗ってきた車ということになります。
例えば、旅行先で数日だけ借りた人もいれば、仕事や引っ越しなどで何日も使った人もいるでしょう。運転する人も、その車に対する接し方も毎回同じではありません。
ここが、レンタカーアップに独特のイメージが付く理由のひとつです。
年式の割に走行距離が多くなりやすい
レンタカーは、普段の買い物だけに使われる車とは違います。旅行や遠出で利用されることも多いため、比較的短い使用期間でも走行距離が伸びやすい傾向があります。
中古車サイトで「まだ2〜3年落ちなのに、もう5万km近く走っている」という車を見かけることがあるのも、そのためです。
個人所有の車なら、年間走行距離を見て「かなり走っているな」と感じる数字でも、レンタカーとして使われていたと考えれば、それほど不自然ではありません。
この年式と走行距離の組み合わせが、一般的な中古車より価格を抑える理由のひとつになります。
安いからといって故障しやすいとは限らない
ここは少し誤解されやすいところです。
レンタカーは貸し出して終わりではありません。次の利用者に貸す以上、安全に走れる状態を維持する必要があります。そのため、点検や整備を受けながら使われている車も多く、整備記録が残っているケースもあります。
なので、「レンタカーアップだから安い=状態が悪い」と決めつけるのは早いです。
むしろ、同じ年式・同じ車種の中古車と比べて走行距離や使用歴などが価格に反映されているため、条件次第ではお得な買い物になることがあります。
| 項目 | レンタカーアップ | 一般的な中古車 | 確認したいこと |
|---|---|---|---|
| 使用歴 | 不特定多数が利用 | 個人・法人など | 使用用途や履歴 |
| 走行距離 | 年式の割に多めの場合あり | 車両によって幅がある | 年式とのバランス |
| 整備 | 点検・整備を受けている車が多い | 車両ごとに異なる | 整備記録 |
| 価格 | 安めになる場合がある | 状態や人気で変動 | 同条件の相場 |
レンタカーアップはやめとけと言われる理由
それでも「レンタカーアップはやめとけ」と言われるのには、それなりの理由があります。
一番分かりやすいのは、やはり自分の車ではない人が何人も運転しているということです。
自分の愛車なら、段差では速度を落としたり、狭い駐車場では慎重にハンドルを切ったりします。タイヤやホイールを傷めないように、路面の状態まで気にする人もいるでしょう。
でもレンタカーでは、普段とは違う車に初めて乗る人もいます。
車幅感覚が違えばホイールを縁石に当てることもありますし、狭い駐車場でボディを擦ることもあります。自分の愛車なら気をつける場面でも、借り物の車では扱い方に差が出る。ここはレンタカーアップを見るうえで、やはり気になるところです。
外装の傷やホイールの状態は要チェック
中古車として販売される前に清掃や仕上げが行われているため、見た目だけではレンタカーだったことが分からない車もあります。
それでも、よく見ると細かな傷やドア周辺の擦れ、ホイールのガリ傷などが見つかる場合があります。
特に気をつけたいのが、ボディを少し離れたところから眺めるだけで終わらせないことです。明るい場所で角度を変えながら見ると、洗車傷や小さなへこみが見つかることがあります。
中古車ですから、多少の傷があるのは珍しいことではありません。大事なのは、その状態で自分が納得できるかどうかです。
「誰が乗ったか分からない」が気になる人もいる
レンタカーでは、過去に何人の人が運転したのかを一人ひとり追うことはできません。
運転に慣れていない人が乗っていた可能性もあれば、普段より長距離を走っていた人もいるでしょう。急加速や急ブレーキなど、前の利用者の運転まで知ることはできません。
ここをどう考えるかは人それぞれです。
「自分が買った車なら、前の持ち主がどんな人だったかも気になる」というタイプなら、レンタカーアップは少し引っかかるかもしれません。反対に、整備履歴と現在の状態が良ければ気にしないという人なら、そこまで大きな問題にはならないでしょう。
レンタカーアップにはメリットもある
「やめとけ」という話ばかりを見ていると、レンタカーアップは避けたほうがいいように感じます。
でも、実際にはメリットもあります。この部分を知らずに、最初から候補から外してしまうのはもったいないです。
比較的新しい車を安く買える可能性がある
レンタカーは一定期間で車両を入れ替えるため、販売されるレンタカーアップには比較的新しい年式の車もあります。
例えば、予算の都合で新車は難しいけれど、できるだけ新しい中古車が欲しいという場合です。
同じ予算で探したとき、一般的な中古車なら年式を少し落とさなければならないところ、レンタカーアップなら高年式車が候補に入ってくることがあります。
もちろん車両ごとの価格差はありますが、「安いから古い」という中古車とは違った探し方ができるのはメリットです。
整備履歴を確認しやすい車もある
レンタカーは仕事として使われている車なので、点検や整備が行われています。
中古車を買う側としては、ここは意外と大きなポイントです。
個人所有だった中古車の場合、前のオーナーがどのタイミングでオイル交換をしていたのか、どんな整備をしていたのかが分かりにくいケースもあります。
その点、整備記録がきちんと残っているレンタカーアップなら、車がどんな管理をされてきたのかを確認しやすくなります。
もちろん、すべてのレンタカーアップが同じ管理状態というわけではありません。だからこそ、販売店に記録を見せてもらうことが重要です。
装備を確認すると意外と条件がいいことも
レンタカーとして使われる車は、ナビやETCなどが装備されている場合があります。
中古車を買ってからナビやETCを追加すれば、それなりに費用がかかります。最初から必要な装備が付いていれば、購入後に追加する手間もありません。
ただし、装備は車両ごとに違います。ナビが付いているから安心ということではなく、スマートフォンとの接続や地図の状態など、自分が実際に使いたい機能まで確認しておきたいところです。
| メリット | 理由 | 購入前の確認 |
|---|---|---|
| 価格が安め | 走行距離や使用歴が価格に反映される | 同年式・同車種と比較 |
| 高年式車を狙える | 比較的短期間で中古車市場へ出る車がある | 初度登録年月を確認 |
| 整備履歴を確認しやすい | 事業用として管理されている | 記録簿を確認 |
| 装備が充実した車もある | レンタカー時に装備されている | ナビ・ETCなどを確認 |
購入前に見るべきポイントは走行距離だけじゃない
レンタカーアップを選ぶなら、私は走行距離だけでは決めません。
例えば5万kmという数字だけを見ると、少し多く感じるかもしれません。でも、その車がどんな状態なのかは5万kmという数字だけでは分かりません。
逆に、走行距離が少ないから安心とも限りません。年式、使用状況、整備履歴、消耗品の状態まで見て、全体で判断する必要があります。
中古車を買う時に見るところは走行距離だけではありません。以前の記事でも、錆や下回り、保証などを含めたチェックポイントをまとめています。
中古車を買う時に見るところは走行距離だけじゃない!錆・下回り・保証で後悔を防ぐチェック術でも詳しく紹介していますので、レンタカーアップに限らず中古車を探している方は、こちらも参考にしてください。
実車で確認しておきたいところ
私なら、実車を見に行ったら次の部分を順番に確認します。
- ボディの傷・へこみ・修理跡
- ホイールのガリ傷とタイヤの残り溝
- シート・ステアリング・内張りの使用感
- エンジンルームや下回りの状態
- 整備記録と保証の内容
特にタイヤは忘れたくないところです。
車両価格が安くても、購入後すぐにタイヤ交換が必要なら、その分だけ出費が増えます。バッテリーなどの消耗品も同じです。
中古車を見に行くと、どうしても車両価格に目が行きます。でも、買った後に必要になるお金まで考えると、別の車のほうが結果的に安かったということもあります。
販売店には遠慮せず聞いていい
気になる車があれば、販売店にも聞いておきたいことがあります。
「何年くらいレンタカーとして使われたのか」「整備記録は残っているのか」「修復歴はないのか」「タイヤなどの消耗品はどの程度残っているのか」「保証はどこまで付くのか」。このあたりは遠慮せず聞いていいと思います。
そして、質問に対して販売店がきちんと説明してくれるかも、私なら見ます。
中古車は安い買い物ではありません。分からないことを曖昧にしたまま契約する必要はないですからね。
レンタカーアップはどんな人に向いている?
こうして考えると、レンタカーアップにも向き不向きがあります。
価格と車両状態のバランスを重視する人
レンタカーアップに向いているのは、多少の走行距離や使用感よりも、年式・価格・装備・整備状態のバランスを重視する人です。
「できれば新しい車が欲しい。でも新車価格はちょっと厳しい」という人なら、候補に入れてみる価値があります。
反対に、走行距離が少ないことやワンオーナーであることを最優先するなら、無理にレンタカーアップを選ばなくてもいいでしょう。
中古車は条件を決めすぎると、かえって探しにくくなることがあります。自分にとって譲れない条件と、妥協できる条件を分けておくと選びやすくなります。
レンタカーアップだけに絞らず比較する
私なら、レンタカーアップが気になっていても、それだけに絞って探すことはしません。
同じ予算、同じ年式、同じくらいの走行距離で他の中古車も見てみます。そうすると、「このレンタカーアップは確かに安いな」と分かる場合もあれば、「これなら普通の中古車のほうがいいな」と感じることもあります。
中古車は、何台か比べてみると、その車が本当に安いのかも見えてきます。
自分で中古車サイトを何台も見比べるのが大変なら、希望条件を伝えて中古車を探してもらう方法もあります。
レンタカーアップだけに限定せず、年式や走行距離、予算などを伝えて条件に合う車を探してもらうという考え方です。
「レンタカーアップだから買う」「レンタカーアップだから買わない」と最初から決めるのではなく、条件の近い車と比べてから判断する。これなら納得もしやすいと思います。
実車を見て、自分が納得できるか
中古車は、写真だけでは分からない部分があります。
運転席に座ればシートの使用感が分かりますし、ステアリングを握ればどの程度使い込まれているかも何となく伝わってきます。ボディも光の当たり方を変えて見ると、写真では見えなかった傷が見つかることがあります。
「この程度の傷なら気にならない」「この走行距離なら問題ない」「整備記録もしっかりしている」と自分が納得できるなら、それでいいんです。
逆に、何か引っかかるなら無理に買わないことです。
中古車を「見に行くだけ」でも迷惑なのではないかと気になる方もいると思います。実車を確認してから決めたい人は、中古車を「見に行くだけ」は迷惑?営業が怖い人へ!後悔しない下見のコツと断り方を車好き目線で解説も参考にしてみてください。
レンタカーアップはやめとけ?結局は一台ずつ見るべき
ここまで見てきたように、レンタカーアップには気になる部分があります。
不特定多数が乗っていること、年式の割に走行距離が多いこと、内外装に使用感が残っていることなどです。「やめとけ」と言われる理由も、このあたりにあります。
一方で、比較的新しい車を安く購入できる可能性があり、整備履歴を確認しやすいというメリットもあります。
だから私は、レンタカーアップというだけで候補から外すことはしません。走行距離や整備履歴、傷、タイヤ、下回り、保証まで確認して、同条件の中古車と比べます。
そのうえで、最後は実車を見て決めます。
「レンタカーアップだからやめる」ではなく、「この一台なら乗りたいと思えるか」。私はそこまで見て決めたいです。
まとめ
レンタカーアップは、レンタカーとして使われていた履歴があるため、走行距離や傷、使用感を気にする人もいます。その一方で、年式や価格のバランスが良く、整備履歴を確認しやすい車もあります。
結局のところ、レンタカーアップという言葉だけで良し悪しを決めることはできません。
「安いから買う」のではなく、状態を見て「これなら納得できる」と思える車を選ぶ。
それができるなら、レンタカーアップも中古車選びの候補に入れていいと思います。
中古車は、同じ車種、同じ年式でも本当に一台ずつ違います。少しでも引っかかるところがあれば販売店に聞く。それでも気になるなら見送る。中古車選びは、それくらい慎重でちょうどいいと私は思っています。


